ニューモキャッチ 研究成果

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2017.04.28
研究成果ページを更新しました。(2017年3月22日時点での集積データ)


研究成果 (研究者専用ページ)

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研究実績 

[1] 京都大学の中野先生がニューモキャッチのデータを論文化されました。(2018/2/16 掲載)

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Nakano S, Fujisawa T, Ito Y, Chang B, Matsumura Y, Yamamoto M, Nagao M, Suga S, Ohnishi M, Ichiyama S. Spread of Meropenem-Resistant Streptococcus pneumoniae Serotype 15A-ST63 Clone in Japan, 2012-2014. Emerg Infect Dis 2018; 24: 275-283.

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本研究ではニューモキャッチサーベイランスにおいて、2012-2014の間に収集した菌株について後解析を行った。本邦においてもPCV7および13導入後に、非ワクチン莢膜型をもつ肺炎球菌感染症が増加していることは、Vaccine 34 (2016) 67–76に報告した通りである。薬剤耐性率についてはペニシリン、セフォタキシム耐性は横ばい~低下傾向であるが、メロペネム耐性は増加傾向にある。このメロペネム耐性は主にメロペネム耐性莢膜型15Aおよび35Bの増加に起因している。莢膜型35BはPCVワクチン導入後に各国で増加が報告され、その多くがペニシリン耐性である。一方で莢膜型15Aについても各国で増加が報告されているが、メロペネム耐性を示しているのは本邦菌株のみである。そこで本研究では、この莢膜型15A株のメロペネム耐性の原因を明らかにした。主に用いた手法は全ゲノムシーケンス技術を用いた比較ゲノム解析である。同解析によると本邦で増加しているメロペネム耐性莢膜型15A-ST63クローンは同感受性15A-ST63クローンが遺伝子組み換えを起こして発生したと推測される。セファロスポリン耐性に関与するpbp1a領域が遺伝子組み換えを起こしており、アメリカで流行している多剤耐性莢膜型19A-ST320クローンが持つ同領域を獲得したと考えられる。pbp2b領域も同様に遺伝子組み換えを起こしていたが、セファロスポリン結合部位のアミノ酸モチーフ配列から、同領域のメロペネム耐性への関与は少ないと推測される。また、分岐年代推定によるとメロペネム耐性15A-ST63クローンはワクチンが導入される以前の1947年頃に発生したと推定された。莢膜型15AはPCV13に含まれておらず、今後も同莢膜型株の検出増加が懸念される。そのため、侵襲性肺炎球菌感染症の初期治療においては抗菌薬選択に十分留意する必要がある。

 



[2] 当該研究に関する論文がパブリッシュされました。(2015/12/22)
該当論文はこちらからご覧いただけます。

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Satoshi Nakano, Takao Fujisawa, Yutaka Ito, Bin Chang, Shigeru Suga, Taro Noguchi, Masaki Yamamoto, Yasufumi Matsumura, Miki Nagao, Shunji Takakura, Makoto Ohnishi, Toshiaki Ihara, Satoshi Ichiyama. Serotypes, antimicrobial susceptibility, and molecular epidemiology of invasive and non-invasive Streptococcus pneumoniae isolates in paediatric patients after the introduction of 13-valent conjugate vaccine in a nationwide surveillance study conducted in Japan in 2012-2014.Vaccine(Volume 34, Issue 1, 2 January 2016, Pages 67-76)

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